chiaki's memo

歌ってたり、歌ってなかったり どうでもいい話が8割。

希望のかなた by アキ・カウリスマキ @宝塚シネ・ピピア

最近ただでさえ頭の中いっぱいの上に
無謀な挑戦を更に加えてしまい、色々時間がない気がする…。
そして、色々やりたいことを考えてたら
早々に転職せんといかんのでは…?とか思っていたら
アキ・カウリスマキ監督の新作、「希望のかなた」
ほぼほぼ上映終了なのを発見。すっかり忘れてた。

普段そんなに映画を観ることがないんだけれど、
大学生のときに「過去のない男」とオムニバス“10 minutes older”を観てから
アキ・カウリスマキの映画の比較的新しいものは全部観ている。はず。
10 minutes olderのテーマソングを演奏しているのがHugh Masekelaという
この間亡くなったアフリカのトランペッターなのですが
これまた味と深みのある良い音なんですわ…。

アキ・カウリスマキ監督の新作!!尊い!!」というよりも
「アキおじちゃん、また映画撮ったらしいわ」というテンションに
だんだんなってきているのですが(失礼)
DVD待とうかどうしようか、と思ったけども35mmフィルム上映、
やっぱり映画館で観ないとあかん気がする…と思い
近隣で唯一まだ上映していた宝塚シネ・ピピアへ。

宝塚シネ・ピピア

宝塚シネ・ピピア、どこにあるのかも全然知らなくて
とりあえず売布神社駅前らしいということだったので
行ってみると、生協の中…?

あった。

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前に用事があったため、1時間前にしか行けず
「もうすぐ上映終わるし…最後のサービスデーだし…いっぱいだったらどうしよう…」
と思いながらチケットを買う。

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4番。
……アキおじちゃん…。
前作の「ル・アーヴルの靴みがき」の時はすごい並んで
「やったね、アキおじちゃん!!」と思った記憶があるのだけれども。

とりあえず、昼ご飯も食べずに急いで来たため
移動中にチェックしていた、近くの「バクダットカフェ」という喫茶店で
開場まで待っておこうと思い、バクダットカフェを探しに行く。

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敷地内にあるはずだ!と思って、グルグル探すも、無い。
生協で迷子になったの何十年ぶりか。
修理のいるコーヒーマシーンが置いてありそうな喫茶店どこや…!
散々ぐるぐる回った挙句、もう一度生協のフロアマップを確認したら名前無し。

もしかして…と、映画館に戻ると

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映画館の待ち合いでした。


映画館の売店って、なにも食べるものないんだよなあ…と思いつつ
メニュー見ると、なかなか侮れないラインナップ。

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梅昆布茶売る映画館ってなかなか無いと思う。

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映画に関する本がいろいろある待ち合い。
なるほど、これはなかなか…と思っていると

こ、これは?!

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こここここの装丁の火の鳥を子供の頃ずっと読んでたのですよ…!!
さすが、宝塚市…!

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ああ、これこれ!このサイズと表紙。
懐かしすぎる…。ちゃんと順番に並べ替えておきました。
待ち合いスペースでこんなにエンジョイすると思っていただろうか。
今日もっと早くに来ればよかった。半日くらい潰せる気がする。

これは本当に映画館からの景色だったのか…?天気がよかったらなあ。

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本編

ネタバレになるのであまり書くことがないんだけども
35mmフィルムって、昼空の青・夜の空気の青が綺麗だなあ。
結論から言うと、「難民」というテーマを用いながらも
自分の好きなものも容赦なくブッ込んでくるアキおじちゃんが好きです。

いつもと同じく、出てくる人たちがほぼほぼ全員無愛想で
馴染みの俳優陣に「あっ、姉さんお元気なんですね!犬くんも!」と思いつつも
主人公が背負うものがいつも(他作品)以上に重すぎる。
だけど誰一人感情的になって泣いたり叫んだりしないものだから
余計に「ああ、これはカウリスマキ流に相当マイルドにされているんだ、
現実はもう比べようのないものなんだ」と感じる。

日本が好きで小津が好きでオマージュをちょいちょい入れてくるカウリスマキ
日本人として嬉しいことだなと思いつつも
日本には寿司や古き佳き映画は確かにあるけれど
シリアの戦争や難民のこと、日本で大きくニュースになることはそんなにないんだよ…。
テレビでは政治家が嘘ついてるついてないだのモリカケセクハラ云々で
そこまで報道する余裕ないみたいなんだよ…。
なんかごめんね、日本を好きで居てくれているのにと思ったり。
難民を映画のテーマにするくらい、フィンランドでは大きな問題なんだろう、
ガラの悪い男たちに暴行を何度も受けて、嫌な目にも遭う主人公、
それでも「この国が大好きだ」と真顔で言うって、辛いな。

難民・移民がテーマのカウリスマキ映画が続いているけれど
或る女・或る男・或る男女の日常とちょっとした非日常を
アキ・カウリスマキがまた撮れる日が早く来たら良いのにと思う。
もう辞めるもう辞める言わずにまたお願いしますよ、と心のなかで言いつつ。
ちゃんとパンフレットも買いました。
アキ・カウリスマキ本人、映画にちょっとだけ出てた?よね??気のせい?

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ギリギリに気がついて観に行けて良かった。
これでちょっと落ち着いて色々できる気がする。
(実は行きたい展覧会あと2つくらいあるんだけど無理かな…)